見上げるたびに自分の街をそれていく 雨の通路の線上にいて
鳩の瞼は 本当はくらい青空と覚えられない雲のかたちを
人形の片手を見ている 夜が雨に雨が夜にもう溶けてしまって
人も街も今は地下から枝を経て空へと水をめぐらす装置
草の香の轍を踏んで空をくゞりいつしか朝に遠ざかる人
春は寒いのでしょうか?週末からの雨が降り続いています。
ベランダに夜になると鳩が一羽いて、カーテンを開けても逃げません。
濡れていないか何度も丸くなっている姿を見に行ってしまいます。
(夜が明けると鳩はいなくなって、雨上がりの四月の空を転写した
街がひろがっていました)