白日夢


不思議な夢をみた




廃墟があった
昔 私が通った場所 親しく話した人がいて その人の去った場所
まるで戦火にあったかのように屋根が落ち コンクリートの瓦礫だけが無残に残っていた場所




そこに池ができていた 睡蓮
丸い葉の重なり ひかりに滲んでいた 水のあおみどりの




池ではなかったかもしれない
あるいは書きつけられていたのかもしれない 
見慣れない筆跡で 私の知らない 一度もされたことのない私への問いが





その人の気配のする小さな池だった




私はもうここには来ないだろうという予感が
さざ波のようにやってくる