星みる人
子どもの頃にやっていたテレビ番組では
よく語り部が満天の星を見上げて
「この宇宙のどこかに生命体がいるかも知れない」って言って
終わるものがあったような気がするのだけれど
生命体って自ら光を発するような星には住めないだろうから
あの人たちは
空を見上げて
肉眼では見えないあまたの惑星に
思いをめぐらしていたということかしら?
ある惑星が光を受けて
輝くのが見える地点は
同じ恒星を巡る
惑星の上であり
見えている光る星の周囲には
その何倍もの
光らない星が
光に打ち消されて
沈んでいる
ある惑星が
不意に消失したとしたら
それを照らしていた光は他の大勢の見えない光と合流して
闇に向かう?
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一つの否定が
光の前に置かれた時
何かが静かに退けられた
退場したものは
世界の裏側に
そこは声のとどかない場所だった
もう呼び戻せない
あぢけなき世を凄まじく味気なく生きて
のこされたことばは
血塗られてもいない
自らが発光しているかのように
瞬いてみせたりする
最期に少しでも名残を惜しみに
来ただろうか?
固く閉じた目をして
その人は
それとも他の大勢の見えない光と合流して
闇の果てへと向かったのだろうか?