2013-03-03から1日間の記事一覧

014:更(莢)

終点の冬の梢は過ぎたのに更に流れるものある不思議

015:吐(莢)

暗がりの金魚の吐息 雛飾り たずねた家の匂いのように

016:仕事(莢)

年に一度負債を返しているように木々はいそしむ春の仕事に

017:彼(莢)

ここはそこ彼方はここに幾重にも遠回りして野原を逸れる

018:闘(莢)

無人の待合室の水槽の闘魚の鰭よりつたうさざなみ

019:同じ(莢)

水底に光ひろがるあきらめに似て私達は少しく同じ